「フェルメール『地理学者』とオランダ・フランドル絵画展」

無事に帰ってきました。
ご心配おかけしました。

地震後は安否と近況をお伝えする記事ばかりでしたので、今日は心機一転、先日行った展覧会の感想を記してみます。


行ったのは3月10日、展覧会は渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで行われている「フェルメール『地理学者』とオランダ・フランドル絵画展」です。

展覧会名にある通り、目玉はフェルメールの「地理学者」
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この画像は鮮やかでコントラストがはっきりしていますが、実物はもっと淡い色調の穏やかな印象の絵でした。
地理学者である男性の顔のパーツも指の表現も緻密なわけではありません。
背景の戸棚や椅子に至ってはもっと輪郭が曖昧になっている。
けれど、窓から差し込む優しい光に照らされる空間は確かな存在感をもっていて、他の作品とは一線を画していました。
他の画家が物質を描こうとしたのに対して、フェルメールは光を描いた。
それが印象の違いではないかと思います。

この絵の左右にはヨーロッパ古地図や当時の地球儀が飾られていて、最近「Map of treasure」を描いている私としては絵よりも真剣に見てしまったのでした(笑)



他の印象に残った作品もご紹介します。


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レンブラントの「マールトヘン・ファン・ビルダーベークの肖像」
フェルスプロンク「椅子に座った女性の肖像」
フェルスプロンク「椅子に座った女性の肖像」

このふたつは隣り合って展示されていました。
画像では細部が見えないので分かりづらいかもしれませんが――あきらかにレンブラントのほうが上手いんです!
襟のひだの表現はレンブラントのほうは布の薄さが、素材が分かるほど。
一番は肌の質感。
表皮がある、感じがしました。
巨匠と呼ばれる所以をこれでもか!というほど見せつけられました・・・



ルーベンス
こちらはルーベンスとその弟子ブックホルストによる「竪琴を弾くダヴィデ王」
絵の4分の1から下の色が異なるので分かるかと思いますが、この絵はもともとあった絵に板を継ぎ足して大きな絵にしています。
ルーベンスが弟子たちへ見せる手本として描いた老男性の絵に、ルーベンス死後、弟子が毛皮やアクセサリー・竪琴を描き足して、売り物の絵画として成立させてしまった、といういわくつきの作品なのです。
この絵にまつわるストーリーが面白いので印象に残りましたが、やはり無理矢理まとめ上げた絵ですので、ひとつの作品としては力がないと思います。



アンドリアーン・ブラウエル
こちらは習作でも力がある作品。アドリアーン・ブラウエル「苦い飲み物」
一瞬の表情を捉えていて、活き活きとしている。
ファンキーな絵です。


カスパール・ネッチェル
カスパール・ネッチェル「ピーテル・シックスの肖像」
描かれているピーテル・シックスとはアムステルダムの市長。
この絵は全体としてはありがちな肖像画ではありますが、実物を見ると市長の手の下に敷かれた絨毯の起毛の表現、服のサテン地の表現が見事です。
画家はむしろそれらの描写を面白がって描いたのでは・・・?と想像させる絵でした。



画像では伝わらないことがたくさんあると思いますので、お近くの方は是非実物を見に行ってください。

タイトルが「フェルメール『地理学者』とオランダ・フランドル絵画展」なので、フェルメールを見るという意味ではもしかしたら物足りないかもしれません。
展示作品のボリュームの割にフェルメール作品は1点しかないからです。(巨匠と呼ばれる画家の作品も数点)
当時のオランダの風俗、絵画の流行などを見に行くつもりで行っていただくほうが楽しめると思います!




ご覧いただきありがとうございます!
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Category: おでかけ

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